kuge’s diary

源氏物語を研究している久下からのお知らせです。

久下研究室のHP→http://www.ne.jp/asahi/kuge/h/

2019-01-01から1年間の記事一覧

私のお宝紹介(11)

ここに紹介するのは、『源氏物語』板本の54冊揃の袖珍本です。 絵入りなので、その絵を桐壺巻、空蝉巻、夕顔巻から、よく知られている場面を各1図ずつ掲載しました。 その隣には有名な慶安三年跋承応三年版(絵・山本春正)の同場面を合わせて掲出しておき…

平成30年度の論文業績について

平成30年度の論文は上掲した『知の遺産 狭衣物語の新世界』の二本に続き、ようやく三月に集中して発行にこぎつけた昭和女子大学『学苑』のものがあります。1つは11月号の「資料紹介特集号」において「昭和女子大学図書館蔵『狭衣物語』(巻一・巻二)ー解題…

知の遺産シリーズ

〈目次〉 文学史上の狭衣物語―“衒学”の美学―…後藤 康文 狭衣物語』の成立とその作者…久下 裕利 『狭衣物語』の異文と改変…今井 久代 『狭衣物語』と『源氏物語』―その時代相を中心として―…倉田 実 『狭衣物語』と六条齋院物語歌合…井上 新子 狭衣と源氏宮―そ…

私のお宝紹介(10)

絵入版本『伊勢物語』(元禄九年、大和田安兵衛版)の第五段〈関守〉図です。一般に知られれいるのは、右図のような嵯峨本の図様ですが、これは護衛の武士たちが眠りこけているところをうかがう業平を背後から描いているところに特徴があります。 当段の歌で…

私のお宝紹介(9)

上の掛け軸は『紫式部石山寺参籠図』と言われる作品で、『石山寺縁起絵巻』などで知られる『源氏物語』の着想を石山寺での参籠で得て、須磨・明石巻から物語を書き始めたという中世の伝承を根拠とする作例です。 この掛け軸は実を言いますと、拙著『源氏物語…