kuge’s diary

源氏物語を研究している久下からのお知らせです。

久下研究室のHP→http://www.ne.jp/asahi/kuge/h/

2018-01-01から1年間の記事一覧

近況

昭和女子大学紀要「学苑」8月号(平成30年8月)に拙論「『源氏物語』成立の真相・序―紫式部、具平親王家初出仕説の波紋―」を親交のある先生方に贈ったところ、その礼状のいくつかに続稿を期待するとの旨が書かれてあった。それが真意かどうか計りかねるが、…

私のお宝紹介(8)狭衣物語の古筆切

上掲、左は『平安文学の新研究―物語絵と古筆切を考える』(新典社、平成18〈2006〉年)の「『狭衣物語』の古筆切について―飛鳥井雅章筆本との関連―」執筆のため、その参考資料として口絵にカラーで掲載し、のちに単著である『王朝物語文学の研究』(武蔵野書…

私のお宝紹介(7)歌仙絵抄

当該『歌仙絵抄』は、拙著『物語絵・歌仙絵を読む』(武蔵野書院)に既に『三十六歌仙歌合画帖』とともに公開してあります。あらためてここに〈平兼盛〉図と〈紀貫之〉図を掲出しておきますのは、別に架蔵する歌仙絵〈紀貫之〉図と比較してもらうためです。 …

私のお宝紹介(6)

『知の遺産 宇治十帖の新世界』掲載の拙論について

実践女子大学の横井孝教授とともに編集した『知の遺産 宇治十帖の新世界』が予定通り3月に上梓できました。執筆された先生方にはまずもって感謝の意を表したいと存じます。 それにしても久下が担当した「浮舟設定と入水前後」及び「宇治十帖と国宝『源氏物…

私のお宝紹介(5)

拙著『物語絵・歌仙絵を読む―附『歌仙絵抄』『三十六歌仙歌合画帖』』(武蔵野書院)のカバーに使った絵は奈良絵切『伊勢物語』〈河内越〉図で〈かいま見〉の構図として最もよく知られている。 『伊勢物語』第23段〈筒井筒〉の後半に位置する「風吹けば沖つ…

私のお宝紹介(4)

拙著『源氏物語の記憶―時代との交差』(武蔵野書院)のカバーの絵は「紫式部石山寺参籠図」で『源氏物語』執筆時の構図である。 この図様としては考えるシリーズ①『王朝女流日記を考える―追憶の風景』(武蔵野書院)のカバーで使った石山寺蔵「紫式部図」(…

私のお宝紹介(3)

葵巻で祭の日、源氏は紫の君と見物に出るにあたって、髪削ぎの儀を行った。成女式であろう。この源氏絵の場面は碁盤上に紫の君を立たせていて、現在でも皇族の方が行う儀式である。 作例に承応三年版『絵入源氏物語』や伝宗達屏風絵などがある。詳しくは久下…