kuge’s diary

源氏物語を研究している久下からのお知らせです。

久下研究室のHP→http://www.ne.jp/asahi/kuge/h/

近況

昭和女子大学紀要「学苑」8月号(平成30年8月)に拙論「『源氏物語』成立の真相・序―紫式部具平親王家初出仕説の波紋―」を親交のある先生方に贈ったところ、その礼状のいくつかに続稿を期待するとの旨が書かれてあった。それが真意かどうか計りかねるが、少なくとも拙著『源氏物語の記憶―時代との交差』(武蔵野書院、2017年)を既に送ってあるはずで、その「Ⅰ『源氏物語』宇治十帖の記憶」の各論文を読んでいれば、今回の表題のよってくるところは推察できるし、また期待される「宇治十帖成立の真相」についても結論はでているのである。今回の論はあらためて異なる資料などを用いて、それを証明していくところにあって、最初から一書として上梓するために書き始めた論稿ということになる。ただ気力・体力ともに減退し、すべての原稿を書き終えることができないかもしれないので、同拙著にその結論、またそこに至る論証も既に公にしていることを是非承知してもらいたいし、せっかく献上しているのだから、同書をよく読んでいただきたいとの感懐を記しておくことにしたい。